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暁闇
第1章  Prologue
 

呼び鈴が鳴った。


「はーい!」


お昼ごはんを作るためにキッチンに立っていた私は、手を止めて玄関の方へ行こうとした。


「僕が出るよ」


それを、そう言って葉月くんが制して。
玄関へと向かった彼の後ろ姿に、ありがとうと声を掛け、再び私は手を動かし始める。

聞こえてくる声に耳を傾けると、どうやら荷物か何かの配達らしかった。



葉月くんと結婚して三年。

相変わらず私は葉月くんが大好きで。
結婚しても変わらず優しい彼と、毎日幸せに暮らしている。
けんかや言い争いもほとんどしない私たちは、加奈から、いつまで経っても新婚みたいだよね、なんてからかわれたりなんかしてて。

しばらくはふたりの生活を楽しみたいという気持ちから、子供はまだいないけど。
そろそろ欲しいね、なんて話も少し前からし始め、早く授かればいいな……って今は思ってたりする。


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