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暁闇
第1章 Prologue
「琴音宛てに、配達記録きてる」
戻ってきた葉月くんが、そう言いながら私に封筒を差し出す。
受け取った私は、すぐにそれが何なのかわかった。
「チケットだあ」
そろそろ届く頃だと思っていた。
私のテンションは一気にあがる。
来月、加奈と行く予定のコンサート。
良席だといいな~! なんて思いながら、早速開封しようとはさみを取りにリビングに。
「琴音」
でも、葉月くんが私を呼び止めて。
「これも」
「え?」
葉月くんを見ると、手に真っ白い、大きめの封筒を持っていた。
「あ」
それ……もしかして結婚式の招待状?
「え、誰?」
受け取って、封筒を裏返した瞬間
「あ……」
思わず、呟きが漏れた。
「……彼だよね?」
葉月くんの言葉に、私は小さく頷く。
「村上くん――――……」