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暁闇
第12章  告白


――突然、着信音が鳴る。


「……あ、ちょっとごめんね」


あおいさんが、さりげなく俺と繋いでいたその手を引き、バッグからスマホを取り出す。


「もしもし――――あ、うん。わかった――――」


そして、通話を終えると俺を見て。


「……丈から。お友達帰ったら連絡してね、って言ってたの」


そう言って、またすぐに少し俯いた。
口元には笑みが浮かんでいるけど。
……どこか少し、戸惑っているようなその様子。


「私たちもそろそろ……」


そして続けられたその言葉に。
帰る前にちゃんと伝えなければ――――そんな、焦りにも似た気持ちになって。


「あの、俺――――」

「あ」


けれど、あおいさんの呟きに遮られ。
見つめているその視線の先にあるのは、コーヒーショップ。


「私、コーヒー買ってくる。飲みながら帰ろ?」


何がいい? と聞かれ。


「俺も行きます」

「大丈夫――――ここで、待ってて?」


少し、必死そうに俺を見て。
だから俺はその言葉に従うしかなくて。

急ぎ足で店へと入っていくあおいさんの後ろ姿を見つめながら、小さく溜め息をついた。


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