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暁闇
第12章 告白
手を繋いだまま、しばらくふたりで歩いた。
あおいさんは黙ったままで。
俺も、何も言葉にできない。
鮮やかなイルミネーション。
すごく、綺麗なのに。
それよりも。
繋いだ手が。
柔らかなあおいさんの手の感触が。
俺の頭のほとんどを支配していて。
――好きだ、って。
心も、頭も。身体も。
そう……もう俺のすべてが、あおいさんのことが好きだ、って訴えてるのがわかる。
だから、だろうか――――。
想いを態度に出してしまったからには、ちゃんと言葉にしなきゃいけないはずなのに。
今、少しだけそれが怖かった。
彼女の唇から零れる言葉が、拒絶のそれだったら、と。
……その関係を失いたくない、と言っていた、桜井。そして、丈。
彼らの気持ちが、少しだけど。
もしかしたらこういうことなのかもしれないと、そう、俺は思った。