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暁闇
第12章 告白
「だから、今日、イブだし。
その……雰囲気に流されることって、あるし」
続けられた言葉に、手を繋いだことを言っているのだとようやく気づく。
ね? と。
そして同意を求めるような、言葉を彼女は。
「……雰囲気」
それは、無意識のうちに俺の口をついて出た。
「ん。だから、気にしないで――――」
「違う」
え……? と。
彼女の視線を、感じた。
「違います」
もう一度言って。
それから、彼女と視線を合わせた。
「雰囲気とか、流されてとか。
……そういうんじゃないです」
「翔悟くん――――」
「そんなんじゃない」
身体を、彼女の方に向ける。
……あおいさんの瞳は、戸惑うように揺れていて。
「好きだからです」
だから、繋ぎたかった。
触れていたいと思ったんだ。
……彼女の口が、微かに開かれた。
震えるその唇を、きゅっ……と噛むようにして俯く。
返事はない。
だからもう一度、口にした。
「あおいさんが好きです――――」