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暁闇
第13章 混乱
「翔悟くんの気持ち、本当に……素直に嬉しかった」
告白された直後は、何をどう話せば……答えればいいかわからなくなってしまったけど。
一言、言葉にしたら、それがきっかけとなり、私の中から気持ちが溢れ出す。
「私も、会うのすごく楽しいし……。
翔悟くんのこと、よく考えるから……」
そう……きっとだから私も。
桜井くんへの感情を、少しずつ消していけた。
「あおいさん……」
彼の表情が、安心したように少し緩んだ。
口元に微かに浮かんだように見える、笑み。
「琴音さんのことも、ちゃんと話してくれて嬉しかった」
「……俺も。先輩に対する気持ち聞けてよかったです」
彼のその言葉。
言いたかったことがちゃんと伝わったようでほっとした。
……ほっとして。
それから、小さく息を吐く。
「あおいさん」
呼ばれて、彼と視線を合わせる。
「俺と付き合ってください」
はっきりと、告げられ。
「俺、ずっとあおいさんだけを想うから。
だから俺と……付き合ってください」
「翔悟くん……」
彼の想いを、痛いほど感じた。