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暁闇
第15章  私


それは、私が中学2年の春だった。

通っている中学に異動してきた宮田先生。
まだ25歳だという、かっこよくて、背が高く、優しい、英語が担当教科のその先生はあっという間に生徒たちの人気者になった。

でも。
他のたくさんの生徒たちと同じように、私も最初は遠巻きに騒いでいただけ。

仲良くなったのは、担任の女の先生が産休をとった10月から。
宮田先生が代わりに担任の仕事をすることになったのだ。

生徒には、担任の先生に毎日提出しなければいけないノートがある。
自分の自宅での勉強時間など、生活状況を書いたものだ。日記の欄も数行ある。
先生はそれに毎日目を通し、そして、感想やアドバイスなど、赤ペンで何かしらひとことくれることになっていた。

その、ほんの小さな楽しみ。
まるで、憧れの先生と交わす交換日記のような。

だから、他のクラスにいる、先生のファンの子たちから、私のクラスは羨ましがられていた。


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