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暁闇
第16章 向き合いたい
「……でも、近い……かも」
「え」
うわ……と。
苦笑いして、がっくりと肩を落とすように。
「――あ、ううん、違う……!」
翔悟くんの様子に、彼に勘違いを……さっきの行為に困ってるって思わせたのかもしれないと感じた私は、首を振って続けた。
「その……翔悟くんのせいじゃ、なくて。
あくまでも、私の。私自身の問題なの――――」
……そう。
それは私の中の、問題。
「翔悟くんは……悪くない」
私の言葉に、重ねられたままだった手が、繋ぐようにして握られる。
「もしかして、さっき言ってたことと――――」
「え?」
「あ、いや……。
返事、待ってって言ったことと関係あるのかな、って」
「翔悟くん……」
ちゃんと話す機会が今、訪れていることを私は理解した。
覚悟を決めて見つめると、彼もその視線を受け止めてくれて。
それだけで、意味を分かってくれたのか。
「……こっち来て。
全部聞かせてください」
ぐっ、と。彼は繋いでいる手を引いて、元の位置に戻った。
そのまま私は彼の隣に、ベッドを背にして並ぶ。
「……ん」
私は、大きく息を吐いて。
それから、うまく言えないかもしれないけど……と前置きしてから話を始めた――――。