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暁闇
第17章 交わすたび、深まって
「……私のせいなの」
そこまで一気に話すと、私は俯いたまま小さく息を吐いた。
「あんな浅はかなことしなかったら、先生が非難されることはなかったし……両親の離婚もきっとなかった。
弟から父親の存在を奪うこともなかった。
……全部、私のせいなのに。そんな私が誰かと付き合うとか……そんな普通の人みたいな幸せ……」
「それで、俺に返事待ってって」
「……だって頭の中がもうぐちゃぐちゃになって。
すぐになんて選べなくて――――……」
ごめんなさい、と私は続けた。
翔悟くんはずっと手を握ってくれている。
「……そんなの」
そして、ぽつりと。
「選べないってだけで、もう答えになってるじゃないですか」
「……え」
「そういう事情だから付き合うことはできないって思ってるなら、すぐにでも断れた。違いますか」
その視線が、私を捕らえる。