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暁闇
第20章 ほどけて
そうこうしているうちに、仕事も始まって。
あおいさんとゆっくり会える機会がないまま、数日が過ぎた。
仕事帰りに彼女の家に寄り、夕食を三人でとることはあった。
ただ、丈のいる前ではなかなか恋人同士のような雰囲気にはなれず、それどころかまるで以前の関係に戻ったかのような不思議な感覚を覚えてしまったりして。
丈は気を遣って、食事のあとすぐに部屋に引っ込んだりしてくれたけど。
それでもやはり、ふたりきりのときとは違うから。
当たり障りのない話で時間を過ごし、遅くならないうちに自分のアパートへ戻る――――そんなかんじだった。
彼女が言っていた『話したいこと』も気になってはいたが、ゆっくり時間が取れるときに聞いて欲しいと言うので、結局聞けず仕舞いで。
俺とあおいさんの休みも、仕事や、外せない予定なんかが入っていたりで、丸一日合うときがなかなかなくて。
……そう、気づけば1月も終わろうとしていた。