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暁闇
第20章 ほどけて
それでも、ようやく朝から夜まで一日中会えそうな日曜日を明後日に控え。
そろそろ帰ろうかと思い、会社を出たちょうどそのとき――――。
着信の音楽がスマホから鳴った。
確認すると、彼女からだったのですぐに出る。
通話をタップして
「あおいさ――――」
彼女の名前を呼ぼうとした。
でも、言い終わる前に
『翔悟くん、あのね……今から会えないかな……』
そう言われて。
「え?」
『それともまだお仕事中?』
「いや、今からちょうど帰るところで」
『……じゃあ、会える?』
「はい」
でも、明後日会うのに。
何か急用だろうか。
「あおいさんちに行けばいい?」
『……ふたりで話したいの』
「え?」
『だから翔悟くんちの方が……』
「……何かあったの? あおいさん」
俺の家にこんなふうに来たがるなんて、今までなかったのに。