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暁闇
第20章 ほどけて
「お母さん、『あんたも!?』って驚いてた。
でもおばあちゃんはにこにこ笑ってるし、おじいちゃんはやっぱり頷いてるし。
結ちゃんのこといろいろ聞かれて、丈は『もう勘弁してー』なんて困ってたかな」
「へえ……いいね、なんかあおいさんちって」
想像するだけで、何だか微笑ましいその光景。
「うん――――……」
肯定した彼女は、コーヒーのカップを手に取る。
「……なんか、その雰囲気の延長で……やっと言えたかな」
そして、こくん、と。
コーヒーを一口。
黙って彼女を見つめると
「お母さんにも、ごめんなさいって」
「あおいさん……」
「やっと言えたの」
視線は前へと向けたまま。
両手でカップを持って。
「翔悟くん……聞いてくれる?」
俺は少し、彼女の方に身体を近づけた。
肩が、触れ合う。
「ん。聞きたい」
その言葉に、彼女は微笑んで再び口を開いた。