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暁闇
第20章  ほどけて


「翔悟くんが私を好きになってくれたから。
揺れてばかりの私なのに、それでも見捨てないって言ってくれたから。
……向き合う勇気をくれたから」


だからだよ……、と。
さらに目を潤ませて。


「私ひとりでなんて、抜け出せなかった」


はあ……と、震えているような溜め息を小さく漏らす。


「翔悟くんがいてくれたからなの」


彼女の唇からこぼれる、その優しい言葉たち。
彼女の潤んだ瞳が揺れている。

たまらず、さらに強く彼女を抱き締めた。

いい香りのする彼女の髪に指先を差し入れ。
そのまま後頭部を支えながら、唇を寄せる。


好きです――――。


想いを込めて、口づけた。


「っ、ん」


……好きだ。
本当に。このひとが。



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