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暁闇
第20章 ほどけて
答えを待つあいだ、心臓の動悸がすごく激しくて。
押さえられない欲望を、見透かされているような気までしてきて。
……だんだん、その沈黙が苦しくなっていく。
それにもう、耐えられなくなって。
ごめん、無理言って――――ひとことそう呟いて身体を起こそうとしたとき。
……くっ、と。
腕を引かれた。
思わず見た、その彼女の手。
そのままゆっくり、あおいさんに視線を移す。
彼女は小さな声で言った。
「……泊まりたい」
「え……」
自分で願っておいて。
彼女の答えに一瞬戸惑った。
「私だって……翔悟くんと一緒にいたい」
「あおいさん――――」
「……だから、泊めて……?」
俺は黙って、彼女を。
彼女のその華奢な身体を抱き締めた――――。