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暁闇
第20章 ほどけて
そっと髪に触れると、あおいさんは静かに目を開けた。
「……あおいさん」
彼女は、目だけで問うてくる。
「今日、泊まっていける……?」
「え……」
だめもとで発した言葉だった。
「明日の用事……朝早くからですか」
……そう。
俺は明日彼女に予定があることを分かっていて。
それでも誘わずにはいられないほど、今、彼女が欲しくて仕方なかった。
心も……身体も。彼女の全てが。
「……午後からだよ」
午後から――――。
その言葉に、心臓がどくんと波打つ。
なら。だったら。
「じゃあ、泊まってって」
「翔悟くん……」
「もっと一緒にいたい」
ごくり、と鳴らした喉。
聞こえてたかもしれなくて、なんだか彼女が見られない。