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暁闇
第22章 躊躇いの理由
そして、12月。
彼の合格をあおいさんのアパートで祝っていたときだった。
当然、結ちゃんもいて。
「なんかスマホとかも取り上げられるらしいっす」
丈は、4月から警察学校に入校する。
寮生活になるらしい。
スマホの類ももちろん使用禁止で、週末にならないと返してもらえないそうだ。
結ちゃんが、
「連絡できないよねー」
と嘆く。
彼女は服飾の専門学校に行くことが決まっていた。
「やっぱ厳しいんだな」
合格者を集めての説明会で聞いたことをいろいろと丈は話し、俺たちはそれを興味深く聞いた。
やがて丈は、溜め息をつき。
「……ああもう。オレ、やってけるかなー。マジで不安」
そう、こぼす。
「どんな仕事だって、最初はみんな不安だよ」
一緒、一緒、とあおいさんが言い。
「そうそう。それにおまえ、社交的だからなんか向いてそうだし」
俺も、そう励ました。