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暁闇
第22章 躊躇いの理由
丈は、ある程度こぼすと、あとは前向きに考えていける性格だった。
自他共に認めるポジティブ思考。
今回も、言うだけ言ったらあとはすっきりしたようだった。
「でさ、入校は4/1なんだけど。
3月下旬には一度実家帰ろうと思ってて」
「あれ? 高校の卒業式って3月頭じゃねーの?」
俺が口を挟むと
「だってギリギリまでこっちいたいし」
な? と。
結ちゃんを見る。
ああ……そういうことか。
納得した俺は、あとは黙って丈の話を聞こうとしたけど。
「つまりさ、ここから出てくわけじゃん」
「あ……」
そうか。
あおいさん、一人暮らしになるんだ。
「姉ちゃん、ここにひとりじゃ広いから、ワンルーム借りるって言ってるんだけど……」
「だって、もともとそうだったし。
丈がうちから通うことになったから、ここ借り直したんだもの」
その、あおいさんの言葉。