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暁闇
第23章 優しさの連鎖
運ばれてきたのは、バースデーケーキだった。
チョコレートのプレートに書かれた私の名前。
フルーツがたくさん乗っている可愛いそのケーキ。
目を奪われていたら、
「あおいさん」
声を掛けられて。
「誕生日おめでとう」
渡された、その薔薇の花束。
白地なのに、ふちだけがピンクに色づいてるそれ。
「可愛い……!」
思わず、呟きが漏れてしまうほど。
その薔薇はとても綺麗で。素敵で。
「あおいさんにぴったりだなと思って」
そんな恥ずかしくなってしまうようなセリフさえ、今は嬉しさとなって私を襲う。
「ありがとう……」
いい香りのするその花束。
きゅっ、と。胸に抱き締めた。