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暁闇
第23章 優しさの連鎖
スパークリングワインで、乾杯して。
それからケーキをふたりではしゃぎながら食べた。
あーん、と。
翔悟くんが私に食べさせてくれて。
私も食べさせてあげて。
彼の頬についたクリームを、指で取り、それを舐めて。
時々交わす、甘い味のする口づけ。
唇が軽く触れ合うたび、笑い合って。
そんな、幸せな時間――――。
明日の夜までずっと一緒にいられる。
大好きな翔悟くんと、こうして。
そう思うとたまらなくて。
思わず、彼に抱きついた。
「あおいさん?」
笑いながら私を受け止める翔悟くん。
「すき」
背中に回した腕に力を込めた。
すぐにぎゅっと抱き締め返される。
……途端に漂い始めた、甘い雰囲気。
私の頭に。
耳に、首筋に。
そっと唇を落としてくる彼。
「……ん……待って……」
「ん?」
「ケーキ残ってる……」
「うん」
そう言いながらも、彼はキスを止めない。
「……あとで」
低い声でそう耳元に落とされた言葉に、くらりときた。
それはワインのせいなのか。
それとも、彼から発せられる色香のせいなのか――――。
……もう、どちらでもかまわなかった。