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暁闇
第23章 優しさの連鎖
「はい」
バスローブを羽織り、窓際に立って夜景を見ていた私に、翔悟くんが手渡してきたミネラルウォーター。
身体の火照りは落ち着いていたけど、そのひんやりとした冷たさは心地よく喉を潤す。
彼の手に戻すと、それを受け取って私を背後から優しく抱き締めてくれて。
「きれいだね」
そう、耳元で囁く。
頷く私の頭に、そっと落とされる彼の唇の気配。
ちゅっ、と音を立てて。
それからそっと彼は離れた。
私はずっと夜景を見ていて。
こんな幸せな誕生日を過ごさせてくれた彼に対する感謝の気持ちで、ただもう胸がいっぱいだった。