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暁闇
第23章 優しさの連鎖
彼がまた、近づいてきた気配。
振り向こうとしたら
「そのまま後ろ向いてて?」
そう、言われ。
おとなしく、そうした。
バスローブの襟に、彼の手がかかる。
くっ、と引かれ。
露わになっただろう首筋。
すっ……と、そこに触れてきた彼の手に。
びくんと少し、反応してしまった。
そのまま、両腕が前に。
抱き締められるのかな――――。
そう思って、胸がとくん……と高鳴ったとき。
首の前で両手を一瞬重ねるようにした彼は、そのまま後ろへと腕を引いてしまった。
――ひやり、と。
首元に感じた冷たい感触。
うなじで動いている、彼の手。
私は視線を、自分の胸元へと落とす。
「……プレゼント」
翔悟くんの、声。
「え……」
私の首にかけられていたネックレス。
まるで魔法のように。