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暁闇
第24章 初めて口にした
「俺の方こそ」
俺を好きになってくれて。
俺を選んでくれて。
……想いを、叶えてくれて。
「ありがとう――――」
そう言って彼女に視線を送ると。
彼女も、俺を見上げるようにして視線を合わせて。
それから、口元の笑みを深くした。
「……ずっと、そばにいたい」
それが、大好きな彼女の望みだというのなら。
「ずっとこうやって、翔悟くんと」
何よりも、嬉しく。
何よりも、俺を幸せにしてくれる言葉で。
「……あおいがいないと俺……もう無理だから」
ネックレスに触れている彼女の手を、包み込むようにしてそっと握った。
覗き込むようにして、その口元に自分の唇を近づける。
触れる寸前、無性に言いたくなって。
「愛してる――――……」
――――俺は初めて、その言葉を口にした。