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暁闇
第1章 Prologue
「そっか、村上くん結婚するんだあ……」
付き合っている人がいることは、加奈から聞いて知ってはいたけど。
なんだか感慨深くなりながら、もうひとつの名前に視線を移す。
「松下あおい、さん」
この人が、村上くんと結婚する人。
「琴音」
不意に葉月くんに呼ばれた私は、彼へと目を向ける。
「……え?」
葉月くんの手に、同じ封筒が――――。
「葉月くんも招待されたの?」
そう言った私に、葉月くんは少し複雑そうな顔をした。
「……たぶん僕は、新婦側」
「え?」
「松下さんって、僕の同期」
「……ええっ!?」
その言葉に驚いた私は、固まってしまった。