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暁闇
第25章 Epilogue
そしてその後加奈が帰って。
葉月くんと私のふたりだけになった。
カップを下げ、披露宴から帰ってきたままにしていた荷物を片づけようとした私は葉月くんに呼ばれた。
「琴音」
「ん?」
言葉だけを返すと。
「琴音」
ゆっくりと、また呼ばれ。
「なにー?」
彼を見ると、私に向けた両手を少し広げるようにしていて。
「おいで」
そう、言った。
「でも……まだ片づけてないし……」
「そんなの後で一緒にしよう?」
ん、と。
また促され。
手にしていた荷物をまた置いて。
葉月くんに近づき、その腕の中に寄りかかるようにする。
「ん」
ぎゅっ、と優しく抱き締められて。
「……今日はお疲れ様」
頭をぽんぽんと撫でられた。
「葉月くんも……お疲れさま」
背中に回した腕で、きゅっと抱き締め返す。
香る、葉月くんのにおい。
私の大好きな。