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暁闇
第25章 Epilogue
「……そう」
葉月くんは、私の話を聞いて。
抱き締める腕にさらに力を込めてきて。
「そっか……」
また、そう呟いた。
「……よかったね、琴音」
「葉月くん……」
「本当によかった」
葉月くんが、優しくそう言ってくれるから。
また、涙がこみ上げてきた。
堪えようとして息を吐くと、それは少し震えてしまって。
「……泣いていいよ?」
そんな言葉が、頭の上から降ってくる。
「さっき、泣いてる琴音を抱き締めてあげられなくて少しつらかったから」
「……葉月くん……」
私が泣くことを許してくれる場所。
葉月くんのその腕の中。
そう……私の、最愛のひとの。