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暁闇
第6章 新たな関係
「翔悟さん」
声だけを、そんな俺に寄越す。
「ん?」
「翔悟さんていくつなんですか?」
「俺? 22だよ」
「ふうん……姉ちゃんより下なんだ」
「丈くんは?」
「俺は16っす」
「高校生か……来月から2年生?」
「はい」
「……お姉さんとかなり離れてるんだね」
「ああ……そうっすね。8つぐらい違うんで」
「ここにはふたりで?」
親も一緒だとしたら、少し狭い気がした。
「はい。俺、高校こっちなんで。
家からだと遠くて通学時間けっこうかかるんすよ」
「そうなんだ」
そしてまた、少し訪れた沈黙。
けれど、決して居心地が悪いわけではないそれ。
彼から感じる雰囲気のおかげでもあるのだろうか。