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BAR・エロス
第11章 面接・・
どれくらい時間が経っただろう。


まだ意識は朦朧としている。

なんとか頭を持ち上げることができそうだ、と
わずかに体を動かしてみる。
モソモソと動き出した時、
紫苑が音をたてて耳たぶにキスをした。


「お疲れさま・・」


セックスの後の一言としてはムードのない言葉だが、
なぜこの言葉を選んだのか・・?

だが驚きはそれだけではなかった。

その次の言葉は
体ごと吹っ飛ばしてくれるくらい強烈だった。


「合格です」

「ハァ?なんだって?」


つんざくような声をあげ、
疲れていることも忘れて体をはね起した。

合格?合格って、なに?


楽しみにしていたはずの紫苑との交わり。
なのに不意打ちを食らったかのように
なんの準備もできずにいきなり始まってしまったことに
小さな不満を抱いていたら今度は・・

合格ってどういう事?

出しっぱなしの下半身をかばうことなく
私は紫苑から視線をそらさなかった。


「ちょっと、合格って、どういう事よ?
 いったい・・なんなのよ!
 私を欲しくて抱いたってわけじゃないの?
 ねぇ説明してよ!」


反射的に彼の胸ぐらをつかんでしまったが、
それではあまりに荒っぽいので
慌てて彼の両腕へとその位置を変え、
掴んで揺さぶることで我慢しておいた。

揺さぶられても責められても、
うっすらと笑みさえ浮かべているこの男を見ていたら、
特殊な能力の裏側で
精神は病んでしまっているのか心配にさえなってきた。


「まあとにかく、服を着よう。
 そろそろお店を開けないと。
 オープン時間を遅らせているんだから。
 さ、起きて」


私の手を取り引き起こす。
床に落ちた総レースのショーツを拾い上げ私の鼻先にぶら下げる。

その後紫苑も下着を身につけ
制服であるスラックスの汚れた部分をパンパンとはたく。

服を着終えたとたんに虚脱感が私を襲う。

フラフラとしながら化粧室へいき、
自分の姿を鏡で確認する。

乱れた髪を手櫛で直し、
セーターを引っ張りパンツをはたく。
口をゆすいで頬を叩き、最終確認終了。

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