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BAR・エロス
第12章 1人目の男・守・・


土曜の夜の銀座はカップルであふれかえっている。

手をつないだり肩を抱いたり、
腰に手をまわしたり・・

思い思いのスタイルで
これから過ごす夜への
前戯を楽しんでいる様にも見える。


竹内の指定した待ち合わせ場所は、
そろそろツリーが飾られる
あの宝石店の前で・・

なんてムードを大切にする男なのだろう、彼は。

エロスで出会った初めての男は大当たり。
運が良かったと
簡単に済ませては申し訳ないくらい。


小さなショーウィンドウに見入っていると、
後ろから声をかけられた。


「篠原さん、お待たせしました」


センスのよいノーネクタイの着こなしが、
私の心を刺激する。


「竹内さんはセンスがいいのね。
 今夜ちょっと頑張ってみてよかったわ。
 おしゃれして待ち合わせる価値がある男よ、あなたは」

「そんなふうに褒めてもらえると
 男は単純だから俄然はりきっちゃうよ」


照れていてもしっかりと
視線は私の胸元にむけている竹内の、
口元を見ただけで
今夜も存分に楽しめると確信した。



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