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BAR・エロス
第16章 揺れる心・・
もう一度熱い皿を触る。
今度は正気に返れ、と。
まだ恋が始まると決まったわけじゃないし、
だいたい彼らが
私に恋をしていると確認したわけでもない。
勝手な私の妄想だ。
たぶん彼らも、というまったくの妄想だ。
自分一人で盛り上がっている。
それは私自身が
恋愛願望に取り付かれているからではないだろうか。
・・50女の寂しい恋にならないように・・
フォークを突き刺すと
とろんとした肉は簡単に裂けた。
唇からわずかに滴る液体を
舌先でペロリとなめる。
初めて修と抱き合った時のことを思い出す。
あのころは
純粋にセックスを楽しむだけだった。
今のように
舌なめずりをして若い男の体をむさぼった。
それでよかった。
そのままでよかったのに・・
どうして人の気持ちは動いていくのだろう・・
ふと時計に目をやると
時間はまだ1時間近くある。
私の人生にも
まだ時間はたんまりとある。
修と紫苑。
新たな関係が始まったら、
それはそれで運命だと
人生の流れに身を任せてみたらどうだろう・・
最後には必ず・・
どこかに行き着くはずだから。