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BAR・エロス
第16章 揺れる心・・


会社を出て
よく行く近くのカフェレストランに入った。

エロスのオープンまでまだ2時間近くある。
ゆっくりと早めの夕食を取りながら
時間をつぶすことにした。


ビーフシチューとワイン。
時間に余裕のある時でないと注文しないメニューに
すんなりと決めた。


一息ついたところで先に運ばれてきた赤ワインを
ちびりちびりと口にしながら、
頬杖をついて修とのやり取りを思い出してみる。

休みを好きにとれるからと
急な仕事を引き受けるくらい
私との時間が欲しいのだろうか。

その想像は私の心を刺激した。

男にそこまでさせられることに幸せを感じる反面、
それでも結ばれないんだよって
自分で釘を打ちこんでしまう。それならいっそ・・


お待たせしました、と店員の声に顔をあげた。

湯気を立ちのぼらせたビーフシチューが目の前に置かれると、
熱いから気をつけろと言われた皿を
わざと指でつついてみた。
熱さに指先がしびれた。

こんな熱い恋がまた出来るだろうか・・

それはやはり修ではなく
紫苑と?

でも修のことも
今は手放せない。

だったら2人同時に
愛せばいいんじゃないの・・?

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