この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BAR・エロス
第3章 盗み聞き・・
店を出て歩き出しながら、
「さっきさ・・聞かれちゃった・・」
私の顔を覗き込む修が髪をかきむしりながら言う。
「なにを?」
「したくなっちゃったっていうやつ。
梓さんの隣の人。目まであっちゃったよ」
「うっそ!やだ、恥ずかしい!」
思わず私まで髪をかき回す。
だから修はあんな態度をとったのか・・
無数の情報網にあふれる飲み屋。
そこここの会話からいろんな人間模様も見えてくる。
まさか自分がネタを提供することになるとは。
だが私だって、しっかりと盗み聞かせてもらったのだから
お互いさまといえるだろう。
今頃あの一言は、彼女たちのテーブルの上で
最もつつかれる酒の肴になっているだろう。