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BAR・エロス
第23章 15回目の夜・・
これから忙しくなるな・・
しばらくは二足のわらじをはく。
50の体にかけもちは
けっこうな負担になるだろう。
不安はもちろんだが、
それ以上に
未知への興味に気持ちは高ぶる。
さっそく修に報告しなければ・・
修がお泊りできる夜の約束を取り付け
今回は私がホテルを用意した。
15回目の夜は
東京を離れ、
横浜のホテルを予約した。
窓の下には
黒く波打つ海面に映る
様々な灯りと、
そして紫苑が働いていた街のネオンが一面に見渡せる。
窓に駆け寄る修の後姿が
どことなく寂しそうに見える。
きっと察しがついているのだろう。
それでも歓声をあげながら
私を振り返ったその顔には、
いつもと変わらぬ明るさがあった。
「やっぱ違うねぇ、港町の夜景は。
なんか旅行してる気分だよ。
興奮度合いが増すね」
「ね、お風呂にも窓があるんだよ。
夜景を見ながら入れるなんて
テンションあがるよ」
修の手を引きバスルームへと向かい
2人並んで覗き込む。
さっそくバスタブに湯を溜める。
備え付けの入浴剤は
バラの香りだ。
部屋で裸になり
バスルームに入ると灯りを消し、
ほの暗さの中で夜景を楽しむ。
贅沢なバラの香りに
体はすっかり解き放たれて、
修の愛撫にのどを反らした。
「話・・あるんでしょ?」
後ろから聞こえた細い声に
黙って頷いた。
心の準備はうまく整っていなかったから、
よけいに緊張は広がった。
そんなこちらの心情を感じ取ったらしい。
修が先に口を開いた。
「決めたんだね、ママをやるって。
この仕事・・
辞めるって・・」