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BAR・エロス
第24章 エロスの中に・・
再び汗ばんだ後、紫苑はこう言った。
人はみな最初から
心を閉ざすわけじゃない。
なにかのきっかけがあってそうなる。
だからまた何かきっかけがあれば、
元通り心を開くことができる。
そのきっかけが見つかったからこそ
焼きもちが焼けるようになった。
それがあなただ・・と。
その言葉が
今度は私にとってのきっかけになりそうだ。
私も彼のおかげでもう一度、
対の相手と歩いてみようかと
思い始めている。
私の髪をいじっていた紫苑が
急に顔を覗き込む。
「僕の特殊な能力によると・・
いずれ梓さんと一緒になるらしい・・って言ってるよ」
「特殊な能力なんて無いっていってたくせに。
でも・・もしそうなったら・・」
「・・そうなったら?」
「占いバーに変わっちゃったりして」
バカにしてる!と背中を向ける紫苑の肩を揺さぶりながら
ごめんごめんと繰り返す。
それでも背を向け続ける紫苑の耳元で囁いた。
・・その能力は間違いないよ、きっと・・
紫苑が向き直ると同時に私が背を向ける。
あ!流れ星!
見てもいないくせに、しばらく背を向けたまま
窓の外の夜空を見続けた。
突然流れ出した涙が
止まるのを待つために。