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BAR・エロス
第5章 探そう・・

早朝のチェックアウト。

まだ7時前。

修は家族のもとへ帰っていく。
トド妻の待つ家へ、何事もなかったように
帰っていく。

それは彼にとってはごく当たり前のことだし
私だってそんなことは百も承知。だけど・・

心の中に広がる独りぼっち感は、
やっぱり私の後ろからついてきて離れようとしない。
何度も繰り返しているのに、慣れられない・・



ホテルの前で修と別れ、
カラスだけがにぎやかに飛び回る六本木の通りを
あてもなく歩き出す。

どこからか、パンの焼けるいい匂いが漂ってきた。
少し先にベーカリーショップが見える。
もう店は開いていた。
ガラス越しに店内をのぞくと、
まばらに客が座っている。

・・朝メシでも食ってくか・・

焼きたてのクロワッサンと
挽きたてのコーヒーの香りに誘われて、店に入った。

通りに面した窓際の席に座り
たっぷりと注がれたコーヒーをすすると、ふと思い出した。

梓さんの淹れたコーヒーうまいっすね・・

休憩時間、給湯室でコーヒーを淹れていた時の事。

修も休憩にやってきた。
ついでだからと彼の分のコーヒーも淹れてやった。

一口飲んで修は、ウマい!と声をあげた。

彼が気に入ってくれているのはセックスだけじゃない。
人前でもできる、コーヒーを淹れる、ということも・・


指先にカップの熱が伝わってきたところで我に返った。

たかがコーヒーくらいでこんなに胸が熱くなるなんて。
彼の言葉を、彼の感触をこんなに愛おしく想ってしまうなんて・・

昨夜の修が私の気持ちに変化を起したのだろうか。
私の中に特別な感情を生み出してしまったのだろうか。

その想いを振り払おうと首を振った。

昨夜の彼の優しさを、
本気でとってはいけない・・
彼を

愛したりしては・・

いけない・・
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