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BAR・エロス
第6章 見つけたけれど・・
1週間がたち、また私はエロスにやってきた。
正確に言うとエロスの前まで、やってきた。


月が明るくあたりを照らす。

この前と同じように、
木の陰にしゃがんで店の入り口に目を向ける。
誰か来るかな、と。

20分くらいして、トイレに行きたくなり
コンビニまで行くかと立ち上がろうとした時、
足音が聞こえてきた。

驚いた反動で尻もちをついた。

息を殺して見ていると・・

女だ。女の客だ。
それも1人。

ためらうことなくドアを開ける。
でもなにかすんなりといかないようで、
半分開けたところで
もう片方の手を添えなおしてドアを引く。

・・あのドア、重いのかな・・
それよりあの人・・綺麗な人・・

漏れる明かりに照らされたその女は、
私よりは確実に若い。
それよりも、美人だ。
こんなにきれいな女なら、男になんか困らないだろうに・・
なんでこんなとこに来るのだろう・・?
いや・・私と同じように・・
欲情にまみれて次々と
男を食い散らかしたいのかもしれない・・

なんて、勝手に想像しながら腰をあげた。

もう少し様子を見るかな・・

再び闇に身をひそめる。
トイレのことなどすっかり忘れて。


さらに男、そして女の客が
それぞれ入っていくのを見届けてから、
その場をあとにした。

2度目も失敗に終わった。が・・
心は決まった。
次はこの店のドアを開けよう。
そしてとうとう・・
その翌週に、重いドアを開いたのだ。

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