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BAR・エロス
第6章 見つけたけれど・・
慌てて木の陰に隠れた。
別に悪い事してるわけじゃないのに、隠れる。

暗闇から息を殺してみていると、
男が1人でやって来て、そのドアを開けた。

開けた瞬間、
店の中から漏れる光で
男の姿が浮かび上がる。
歳の頃なら・・50代後半か。
私よりは上、といった風貌の男。
身なりは良い。
金持ち風、というよりはセンスがいい。

・・得体のしれないって感じじゃないねぇ。
ああいう客ばかりなら、そんなに心配しなくても
大丈夫そうだな・・

新聞でよく見るいかがわしくて
犯罪まがいの事をしている店だったら・・
そう考えてみたりもした。
用心するに越したことはないから。
だからこうやって、
すぐに飛びつかずに下見して、ある程度観察してからでないと
そのドアを開けられないと判断したのだ。


さっきの客を見て、
入っても大丈夫そうだと思ったが、やっぱり・・
勇気が出ない。

・・今日のところはやめておこう。
また次、その時に決心がつけば入ろう・・

風の音のおかげで
足音も聞こえないだろう。
もう一度、ドアの前に立ち
それからその場を立ち去った。

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