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BAR・エロス
第7章 1人目・・
「そう・・じゃあ
お客様もそのおつもりでいると
解釈してよろしいですね」
「え?あの・・はい・・」
面と向かってはっきりそう聞かれると、
さすがに口がもごもごしてしまった。
50の大人の女なんだから、もっと堂々としていたいものだが
目的が目的だけに
正面切ってそうだ、とは言えなかった。
「では、そのようにご準備させていただきます。
その後はご自由に・・」
またまた近いところで声がした。
いつの間にかバーテンは、
私の横に立っている。
耳に・・彼の息がかかった気がする。
生温かさを感じたもの・・
ものすごい至近距離でバーテンの顔を見上げると、
その瞳に吸い込まれそうになった。
それにしてもいいオトコ・・
この人じゃダメなのかな?そう思ったら
口の中に唾液があふれた。
バーテンは、私の口元を見てフッと笑った。
・・うそ、覚られた?・・
「いずれまた・・」
そう一言いうと酒瓶の壁へと向かっていく。
・・すごい!感づかれた・・
彼の後姿を見つめて考えた。
なにか特殊な能力を持っているのだろうか・・
それともこんな訳ありな店で働いているのだから
自然と養われてくるのだろうか。
とにかく・・
チャンスがあれば・・
想像して口元をゆるめて顔をあげた瞬間、
向かいのカウンターに座る男と目があった。
・・え?さっきまで誰も座っていなかったような・・
いつからいたんだろう・・?
ちょうど私の真正面。
いつの間にかそこに座っていた。
男は柔らかい視線を私に送っている。
目が合ったので、とりあえずは笑顔で会釈した。
それからゆっくりと店内を見渡したところで
あの重いドアがあいた。