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LEMON DEPENDENCE
第10章 時を越えて
「…ぷっ、あはは」



わ、笑われた!?

引いてない?



「悶々って…やっぱり檸檬は面白い。俺さ、檸檬が誰ともシたことないだろうな…って分かってた」

「………」

「そっか…まあ、檸檬の口からちゃんと聞けてよかった。つまりは俺が初めてって事だよな?」

「…はい」

「よし、それって俺が全部、檸檬の初めてを独占できるって事だろ。滅茶苦茶嬉しい!」

「………」



なんちゅー恥ずかしい台詞をペラペラと!

頭が沸騰しそう…



「…今日は一緒に昼寝するだけにしよう」

「…はい」



矢野くんの優しい気遣いが、ふがいない自分の罪悪感をより一層濃くしていく。



「気にするな。俺は檸檬がずっと俺と居てくれるって信じてるから多少は…が、我慢する!」



ちゃららんらん…

ちゃんちゃん…



「ケータイ鳴ってる。檸檬の?」

「はい…でも、この着メロは…」



暫く聞いてないこのメロディは、特定の人物に設定したものだ。

そう…



「……もしもし」

「姉貴、久しぶり」



低く深い声…

弟の、八雲だった。
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