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LEMON DEPENDENCE
第2章 後輩が出来ました。
「やりやがったな…ババア!」

「や、矢野くんも落ち着いてください!」

「るっせぇ!」

「わっ…」



しまった…喧嘩するとついつい周りが見えなくなる。

檸檬をぶっ飛ばしちまった…

てか、めちゃくちゃ軽っ!!



「こらー何してるの!!」



うわ…店長来た。

俺、クビか?

まあ…いいけど。



「店長!この新入りむかつく!」

「てめーが飛び蹴りかまして来たんだろーが!」



狭間だっけ…?

こいつだけはムカつく!!



「はぁ…いい加減にしろ!!」



バコオオオオン!!


スカッとするほど潔い音をたてて、俺と狭間の脳天にバインダー攻撃が降り注いだ。

おそらく、凶器となりうる角ではなく平面でぶん殴ってくれたのは店長の愛だろう。


労災払うの面倒臭いとかそんな理由ではあってほしくない。



「喧嘩両成敗!」



ざまあみろ狭間!!

つか、いてぇ…

マジであのバインダーと店長、破壊力パネー…



「す、すみません北村店長!私の監督不行き届きです!」

「なんで…あんたが謝んだ?」



むしろ檸檬は被害者だろ?

それなのになんで…



「矢野くんは黙っててください」



凄く、すごく強い目だった。

俺は檸檬の迫力に言葉を失う…



「…わかった、檸檬ちゃん。今の諍いは水に流そう」

「ありがとうございます」



よかった…

俺のせいで、檸檬までとばっちり受けたら超後味悪いし。



「でもね、またこんなことがあったら困るから、檸檬ちゃんは新入りちゃんと一緒にビラ配り行って来なさい」

「はい」

「ビラ配りが終わったら今日はもう退勤しなさい。以上」

「わかりました」



店長が大らかな人でよかった…って、俺いまから檸檬とビラ配り?

…まあ、狭間がいないだけましか。
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