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第5章 故郷からの使者

「檸檬、結婚してほしいっす！」

「は？」



突然ぶっ飛んだ事を行ってきたぞ、このアホは！

常々頭のネジなんて、粉みじんに吹っ飛んだ男だとは思っていたが…

冗談もここまで来ると悪質だ。



「斎藤くん公務員のくせに、私に結婚詐欺でも仕掛ける気？」

「え…」

「それとも私が２２年間浮いた話の一つもない、地味な女だからからかってんの？」

「ち、違うっすよ！」

「違わないでしょ？」



私は三白眼で斎藤くんを睨み飛ばした。



「だいたい斎藤くんはいつもそうじゃん？」


そうだ…

やっぱりここはガツンと言ってやろう！！



「私の事さんざん幼馴染とか、大好きとか調子の良い事言っといて、他の女の子とよろしくしてたでしょ。」



ああ…

思い出すだけでも憎々しい！！



「斎藤くんの上っ面な言葉なんて超うんざり、迷惑。」



あれ…

なんで私、涙でてるの？



「…ご、ごめん矢野くん。私やっぱ先に帰る」

「檸檬！」



私は矢野くんの制止を振り切って、ファミレスを飛び出した。