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LEMON DEPENDENCE
第7章 赤飯は炊かなくていいです。
「私は好きだけで一緒になって、不幸になった人を知ってる!!間近で見てきたからわかります。好きだけで、ずっと一緒には居られないって…いつか傷つけられるって!私はもう傷つきたくない!!」

「檸檬、お前…」

「私は…私は多分好きだからこそ、矢野くんには幸せになってほしい。私がここで矢野くんを拒絶しなかったら矢野くんは…矢野くんは一生を棒に振る。そんなの絶対ダメ!」

「…だからお前は自分の感情を殺して、損得で動くってのか?」

「そうです!それで皆が幸せになれるなら、私の感情なんて安いものです!!」

「自分の感情を安売りしてんじゃねーぞ!」

「…っ、痛っ」



突然抱き起された…

と、思ったら頬にビンタを食らった。



「な…何するの!?」

「本当に自分が犠牲になれば、皆が幸せになれるなんて思ってんのか!?」

「だって、そうでしょ!」

「ふざけんな!」



怖い…

矢野くん、本気で怒ってる。



「檸檬は大馬鹿野郎だ!俺はお前に犠牲になられてもなんも嬉しくねーよ!」

「………」

「それにここで黙って引き下がって、いくら俺の人生が上手くいったてそれは仮初の幸せだ。俺の人生にはお前が必要なんだ!」



矢野くんは泣きそうな声で言葉を続けた。

そして私を激しく抱き寄せた。



「…もう自分を卑下すんな。好きだ、好きだから…一生愛し抜くから!だから俺のそばにいてほしい。俺の事信じてほしい…檸檬、お願いだ」

「…矢野くん」



あー…やばい。

本当にやばいよ…


今まで、こんなに純真無垢な好意を向けられたことなんてなかった。


だからどうすればいいのかわかんない…


―――私も幸せになっていいのかな?
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