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銀剣士の憂鬱
第4章 青白い満月の輝く夜

「来るなっ!私に近づくなぁ!!」
突然、静寂を引き裂くように若い女の声が聞こえてきた。
「うるさい...」
銀剣士を美男子と信じるファンの娘たちから行く先々で熱いエールを受け取ることもあるサラだったが、基本若い女が好きじゃなかった。
「近づくなっ!!来るなぁぁ!!!」
「待て!この女っ!逃がすかっ!」
あまりの賑やかさに寝床にしていた大きな木の枝から下を覗くと少し離れたところで、逃げる女の影とそれを追う二人の男の姿が見えた。
月明かりに照らされて見える女は、若く美しかった。
ふわりとなびく金髪の髪。
白い肌にふくよかな胸、細い手足。
「バカか。あんな女が夜に一人でいれば誰だって襲うだろ。」
容姿にコンプレックスのあるサラは美しい女がとくに嫌いだった。
目の前を逃げているのは最も嫌いな人種だった。
もちろん助ける気など起こらない。
「やめろっ!何するっ!!」
「観念しな!お嬢ちゃん。」
「ヘヘヘッ...こりゃ上玉だな。今夜は最高の夜だぜ。」
いよいよ女は男達に捕まった。
「やめろっ!やめろ...離せっ!離せぇ!!」
女は必死で暴れ回るが、男二人にはとても敵わず、がっしりと押さえつけられる。
ビリリリィィッ!
勢いよく衣服が剥がされていく。
「やめろ...やめてくれ...私はっ私はこんなところでっ!」
(...)
サラは重い腰を上げた。
必死な女の声がなぜか気になってしまったのだ。
「ちっ、しょうがないな」

