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オオカミ君のホンネ
第16章 運命の人
染「俺は男だぞ!?お前ッ…しかも人前で……!」

俺がいくら取り乱して怒っても、妖艶な笑みを浮かべるばかりで全く応えていない。

翔「でも、居るのは彼女じゃなくて彼氏。…でしょ?」

翔の方がどうしても一枚上手だ。

染「…ッ騙さなくたって良いじゃんかよ!」

ハァ…ハァ…ハァ…

俺の荒い息づかいばかりが聞こえてくる。幸の目には生気がなくなっていた。

染「ざけんなよ…ッ」

幸「染詠!」

幸に呼ばれて気づいたときには、
いつの間にか生理的な涙がとめどなく
流れ落ちている。


染「ッッ……幸も幸だ…俺以外のヤツと笑うなよ…!!」

ポタポタ…

とめどなく流れ落ちる涙と裏腹に抑えきれない怒り。

(俺ってこんなに嫉妬深かったっけ……


自分でも驚くほどにイラついて仕方ない。


他の客も話すに話せない、
そんな空気の中


「…なんで泣いてんだよ?」




そこに唯一響いたのは


女に囲まれた



無神経なヤツの美声
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