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オオカミ君のホンネ
第16章 運命の人
「キャーッ気持ち悪い!」
「ホモかよ」「うええ~ッ」

先ほどまで静かだったプールには罵声が飛び交う。

「なにホモとか言っちゃってんの?」



荒げてはいないが、ドスの利いた低い声が罵声を掻き消す。

声のする方を見ると、立っているのは明らかに穣だった。

穣「別に、心を開いたヤツが男だっただけだろ」

罵声を一番最初に浴びせた男を思い切り殴ったあと、俺の方に近づいてきた。


穣「おい…あんた染詠のところに行ってやらないのかよ…!染詠よりソイツが大事なのか!?」

穣が睨むと、晃は唇を噛みしめている。

そうしているうちに、染詠は森野に連れられてロッカールームに消えた。

俺は晃の手を振り払って、ロッカールームに急いだ。

「許さない……」

晃が恐ろしいことを言ってるだなんて
知らずに。
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