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オオカミ君のホンネ
第22章 君の為なら
染詠side
「…これ以上、染詠を傷つけないで欲しい。…」
(穣…?
穣は馬乗りしている男の手を取って話し始めた。
「…俺が代わりになるから、耐えるから、染詠を逃してやって。………なんでもするから。」
夏亜はゆったりと頷くと俺に服を着せて玩具も取り出した。……最後に穣は泣きそうな笑顔で俺の背中を押すと、部屋の中に消えた。
「…み…のる……?」
部屋の中からはごそごそとしか聞こえない。
いくら耳を澄ましても。
…しかし何分かすると悲鳴に近い夏亜の声が響いた。
「…い…嫌だぁぁぁァァァ!!ちッ近寄るな!」
それが合図のようにガラスの割れる音や物の落ちる音が次々に聞こえてくる。
パリンッ…ガタ…ガタッガシャン……
「穣!?穣!!おい!穣ー!!」
……ガチャッ…
ドアが開いて真っ先に目に入ったのは頭から血を流した穣。周りにはガラスの破片や本が散らばり、夏亜や男達が無傷で倒れ込んでいる。
「……なんだよ…これ…………穣…大丈夫なのかよ…?血が……」
「…大丈夫だから。………ごめんね…染詠君。」。
そう小さく呟くとフラフラと出て行った。…穣は頭から血を流していたけど、夏亜達は無事みたいだった。
おかしな点は、夏亜は目が覚めた途端に泣き出すし、男達はなにか恐ろしいモノを見たかのように何も言わずに去ったことだ。
「………夏亜…」
「…これ以上、染詠を傷つけないで欲しい。…」
(穣…?
穣は馬乗りしている男の手を取って話し始めた。
「…俺が代わりになるから、耐えるから、染詠を逃してやって。………なんでもするから。」
夏亜はゆったりと頷くと俺に服を着せて玩具も取り出した。……最後に穣は泣きそうな笑顔で俺の背中を押すと、部屋の中に消えた。
「…み…のる……?」
部屋の中からはごそごそとしか聞こえない。
いくら耳を澄ましても。
…しかし何分かすると悲鳴に近い夏亜の声が響いた。
「…い…嫌だぁぁぁァァァ!!ちッ近寄るな!」
それが合図のようにガラスの割れる音や物の落ちる音が次々に聞こえてくる。
パリンッ…ガタ…ガタッガシャン……
「穣!?穣!!おい!穣ー!!」
……ガチャッ…
ドアが開いて真っ先に目に入ったのは頭から血を流した穣。周りにはガラスの破片や本が散らばり、夏亜や男達が無傷で倒れ込んでいる。
「……なんだよ…これ…………穣…大丈夫なのかよ…?血が……」
「…大丈夫だから。………ごめんね…染詠君。」。
そう小さく呟くとフラフラと出て行った。…穣は頭から血を流していたけど、夏亜達は無事みたいだった。
おかしな点は、夏亜は目が覚めた途端に泣き出すし、男達はなにか恐ろしいモノを見たかのように何も言わずに去ったことだ。
「………夏亜…」