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オオカミ君のホンネ
第22章 君の為なら
夏亜side
こんな恐怖は初めてだ。
はじまりは約20分前……
~~~~~~~~~~~~~~~~
「……さて、始めよっか…」
ドアを閉めたとたんに発せられた第一声。どこか怒っているようにも感じ取れる低声だった。でもそんなこと無視して、
「そうだね、ヤろっか」
そういって俺が近づいたときだった。
気づけば目の前で光る銀色の携帯ナイフ。一瞬で冷や汗が湧き出た。
「な、なにしてんの?お前…」
「何って…こういうこと、始めよっかって…」
そう呟くと左手首にナイフを当てて少しずらした。するとそこから赤い鮮血が滴り落ちた。
パタッ…パタタッ
「…染詠には……近付かないで欲しい…もう……傷つくところを見たくないんだ………」
ズボンのポケットから布を取り出すと俺以外の男の鼻と唇に被せると、男は次々と倒れ込んでいった。
嫌だ…
恐い…
恐い……!
「…くッ来るな!嫌だぁぁぁァァァァッ!!」
無我夢中で投げた本や物がガラスにぶち当たって、割れた破片が彼に降りかかった。頭からも鮮血を流した彼は悪魔みたいに笑って甘く囁いた。
「もう……染詠には近付かないで…?」
そこで気を失った。
目が覚めれば蘇って恐怖が身を貫く。
あんな奴に愛されている染詠さえ恐ろしく思えた。
こんな恐怖は初めてだ。
はじまりは約20分前……
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「……さて、始めよっか…」
ドアを閉めたとたんに発せられた第一声。どこか怒っているようにも感じ取れる低声だった。でもそんなこと無視して、
「そうだね、ヤろっか」
そういって俺が近づいたときだった。
気づけば目の前で光る銀色の携帯ナイフ。一瞬で冷や汗が湧き出た。
「な、なにしてんの?お前…」
「何って…こういうこと、始めよっかって…」
そう呟くと左手首にナイフを当てて少しずらした。するとそこから赤い鮮血が滴り落ちた。
パタッ…パタタッ
「…染詠には……近付かないで欲しい…もう……傷つくところを見たくないんだ………」
ズボンのポケットから布を取り出すと俺以外の男の鼻と唇に被せると、男は次々と倒れ込んでいった。
嫌だ…
恐い…
恐い……!
「…くッ来るな!嫌だぁぁぁァァァァッ!!」
無我夢中で投げた本や物がガラスにぶち当たって、割れた破片が彼に降りかかった。頭からも鮮血を流した彼は悪魔みたいに笑って甘く囁いた。
「もう……染詠には近付かないで…?」
そこで気を失った。
目が覚めれば蘇って恐怖が身を貫く。
あんな奴に愛されている染詠さえ恐ろしく思えた。