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嘘でもいいから
第10章 あの小さな手〜想side〜
俺はもともと嘘が上手くないと思う。


明らかに偽の優花の話題を避けてるし
連絡も寄越さずに海外を放浪する恋人を
ひたすら待ち続ける男…なんているか?


俺にはそんなことはあり得ない。


ただ、優花は優しい性格で
俺が困ってスルーしても
特に催促するようなことは無かった。


でも、いつまで
こうしていればいいものか…


とりあえず一度会って話がしたい。
そして上手くいけば
聞けるかもしれない。

父さんのこと。
そして二人のこれまでの人生について。
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