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嘘でもいいから
第15章 嘘でもいいから
私の一年間はとても一言では
言い表せないものだった。

何度も迷い何度も決心した。
そして思い直してはまた迷う毎日。
だって私たちは
兄妹なのにあんなことを…


不倫はもちろん
普通の男女交際にすら
後ろめたい気持ちを抱き続けて
育った私にとって
それはとんでもないことだった。

そしてその事実を知っても
この気持ちを止めることが出来ない
自分が許せなかった…


そう言えば、あの時の女の人。
多分、想さんの恋人だった人
じゃないかと思うけど…

初めて会った人から聞いただけなのに
私が想さんの妹だというその言葉は
なぜかストンと
私の胸に落ちて来た…

想さんと過ごしている時の安心感や
懐かしいような気持ち。

あれはそこから来ていたんだなって。
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