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◇なななの短編◇
第4章 2013年2月9日(近くて遠い)
「だっておねえちゃんとひかるがたくさん服着せるんだもーん!!」



まったりまったり歩く隼人の頬が紅く染まる。


「当たり前だ。風邪を引かれたら迷惑極まりない。」


「本当に…あなたは素直じゃないですねぇ…。普通に心配だからと言えばいいじゃないですか…」


「別に心配なんかしてないっ!迷惑なだけだと言ってるだろうがっ!」


要さんの言葉に光瑠さんが牙を向く。


お決まりの流れに、フフフと笑って再びプールを見つめた。


一面に張った氷が反射して光る。


「ねー!!おねえちゃん!一枚脱がしてー!」


「だぁめ、風邪引いちゃうでしょ?」


「でもこれじゃあスケート出来ないー!」



ムッとむくれた隼人に微笑みを向ける。


本当に…

どうして隼人ってこんなにかわいいんだろう…


「一枚だけね。」


そう言って脱がすのを手伝うと、光瑠さんが近付いてきて隼人に、んっ!とスケート靴を差し出した。



「やる。昔の俺のだ」


えっ…!


「ありがとー!!」


微笑んだ隼人に要さんが近寄る。


「良かったなぁ、履かしてやるよ。ほら、そこ座って。」

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