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◇なななの短編◇
第16章 困る騎士(† 姫と剣 †)
「姫……」
未だにまだそんな呼び方をするリューイに、私は息を切らしながら、フッと笑う。
「もう…姫じゃないのに…」
「いいんです…」
「………?」
「私にとってはいつまでも、あなたは『愛しい姫』ですから…」
「っ…………」
たまに降ってくる、甘い言葉にバクバクと心臓が高鳴る。
加えて優しい笑みを添えたリューイは、そのまま私の額にチュっと音を立ててキスを落とした。
いつまでもお姫様扱い。
前は姫という身分が邪魔で嫌で仕方なかったけれど、彼だけの姫というのはとても良く感じる。
そして、いつもそばで私を守ってくれるリューイは…
「じゃああなたは…私にとって永遠の騎士ね」
顔を見合わせると、どちらからともなく、ふふっと笑う。
そして、再び唇を合わせるとリューイは私の後頭部に手を添えて再び舌を絡め取った。
「んっ……ぁっ…」
「………さっきは乱暴にしてしまったので…今度は優しく抱かせてください」
「っ……今度はって…」
いつものごとく、一回では終わらない。
それに、乱暴にしてしまったといいつつ、優しかったのに…っ
そんなことを心の中で言いながら、私は再びリューイに身を任せていた。
「困る騎士 († 姫と剣 †)」【完】